Weekly Contents #26

🎸 Billie Eilish「HIT ME HARD AND SOFT」

Billie Eilishの3rdアルバム「HIT ME HARD AND SOFT」。シングルの先行プロモーションを行わず、アルバム発売と同時に全曲を発表した。通称「君たちはどう生きるか方式」（笑）。

正直、最近はこのアルバムばかりをずっと聴いている。めちゃくちゃ聴き心地がいい。これまでのビリーのベッドルームポップの影響を受けつつも、音数の少なさとシンプルな曲の強さは、後期の「Radiohead」や初期の「Coldplay」のような美しさがあると思う。

特に「CHIHIRO」と「BIRDS OF A FEATHER」。この２曲が特に好き。「CHIHIRO」は「千と千尋の神隠し」からインスパイアされた曲で、ベースと電子ドラムとボーカルだけで十分美しい。シンプルな作りでここまでのれるのかと驚かされる。「BIRDS OF A FEATHER」はメロディが好き。映画「バービー」に書き下ろした「What Was I Made For?」でメロディの美しさに驚かされたが、そのセンスの別のアプローチの気がした。

by grandcolline

🎫 タイトル未定ワンマンライブ「TETRAPOD」

北海道の４人組アイドル「タイトル未定」のワンマンライブ「TETRAPOD」。会場は Zepp Diver City。タイトル未定が知られるようになった２年前の「東京アイドルフェスティバル メインステージ争奪 Live」の優勝で勝ち取った会場でのワンマンライブであり、メンバーの川本空のラストライブでもあり、グループの文脈をいろいろ踏まえたライブだった。

自分が初めてタイトル未定のライブに行ったのが、ちょうど２年前の東京アイドルフェスティバルの前日のライブ。そのライブは、交通機関（飛行機）の乱れでメンバーがライブに間に合ってない中、唯一別の便で来ていた川本空だけが会場にいた。ひとりでステージに出てきて、何言ってるか意味が分からない話をして（話の意味が分からないのはラストライブまでずっとそうだった）たまたま見に来ていた別のグループの子（かすみ草とステラの吉川実紅）を呼び込んで、一緒に即席で「夏のオレンジ」という曲だけを2、3回歌ったのを覚えている。今思えば、その時からずっと川本空の虜だったのかもしれない。

その翌日の東京アイドルフェスティバルのメインステージ争奪 Live。そこで披露された「溺れる」は神がかっていた。アイドルだろうとロックバンドだろうと、自分たちの能力を遥かに超えたパフォーマンスをする瞬間というのがあると思うが、まさにそれだった。「溺れる」という曲の強さ、これで有名になるという気迫、ギリギリの順位で決勝に上がったこと、前日のライブができなかったこと、他にもいろんな要素があると思うが、全てがプラスに働いていたんだと思う。そのステージで優勝を勝ち取って、２年前にメインステージ（＝ Zepp Diver City）に立っている。

そんな流れを踏まえた今回のライブだが、何よりメンバーのこのライブにかけてる意気込みを感じた。特に「溺れる」と「春霞」の２曲はめちゃくちゃに良かった。

まずは「溺れる」だが、前述の２年前に観て以来、自分はこの曲がタイトル未定の曲の中で１番好きな曲だ。アイドルの未完成性やジュブナイル性を今の時代に10年代に近い形で表現している数少ない名曲であり、パフォーマンスしている姿はかつての欅坂46を思い出させたりもする。今回のライブでは２番サビ終わりの「不器用でも傷ついたりしても、そんなの知らない、知らない」という部分の最後を川本空が歌った時に、冗談抜きで鳥肌がたって圧倒された。この曲は特にメンバーの感情が表に出る曲だと思っているが、これまでの自分の印象では川本空は感情があまり表に出にくく（感情をこめていないという話ではない）それが逆に良さとなっていたと思う。ただ、今回は全く逆で、川本空を含めた全員が圧倒的な気迫だった。そう言った意味でバランスが崩れた「溺れる」だったが、今まで自分が見た中で１番すごい「溺れる」だった。（結局「１番すごい」という表現しかできない自分の語彙力の無さw 😭）

そして、川本空と冨樫優花が２人のユニットとして歌った「春霞」。これは、ライブ会場でマジで泣いた。この曲は川本空の卒業という観点ではライブのキーとなる曲だと思っていた。だからこそ、歌い始めた時は「あ、ユニットでやるのかぁ」と少し残念に思ってしまったが、始まってみると、ユニットでやるからこその川本空と冨樫優花の１対１の関係性、特に冨樫優花というキャラクター性が相まって素晴らしいパフォーマンスになっていたと思う。自分は、冨樫優花の弱さこそがタイトル未定というグループのストーリーテリングのコアの１つを担っていると思っているので、このパフォーマンスでは「グループと川本空」ではなく「冨樫優花と川本空」にフォーカスしたが、そのフォーカスですらマクロで見ればグループ全体のことであるという図式が出来上がっていた。まぁ、そんなこと抜きにしてもとにかく泣けた。そして何より、歌い終わった後に「鼻水案件ですー」という川本空が川本空だった。

ライブとして触れるのであれば、アンコールでやったアコースティックパートで、ストリングスが入っていたのが、個人的には良かった。１年前のワンマンでもストリングスを入れており、アイドルがバンドセットでやる際のひとつの答えとしていいなと思っていた。今回は、バンドメンバーが４人（エレピ・アコギ・カホン・バイオリン）という構成で普通だったらベースを入れたいところを思い切って、バイオリンを入れるという選択はタイトル未定のライブとしては正解だったと思う。（そりゃ、できるなら５人体制にしてベースも入れたほうがいいとは思うが笑）

あとは、プロデューサーのついま氏のこのポスト。悔しいというのは何ヶ所かあった機材トラブルのことかな（推測）と思うが、それをメンバーのパフォーマンスで支えられたという客観的な視点、そしてちゃんと悔しいと発信するところが良いなと思った。

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📺 ななすけの散歩録

最近はまってる YouTube チャンネル「ななすけの散歩録」。東京周辺の街を散歩して、ハスキーな声のナレーションで街の歴史などを紹介していくチャンネル。

自分がよく知っている地域ということもあり、下北沢の回が面白かった。今まで「暗渠」を意識して生活してこなかったなぁ。世田谷代田という地名が「だいだらぼっち川」からきているという説、面白すぎる。

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🎫 YONLAPA JAPAN TOUR

タイ、チェンマイのバンド「YONLAPA」の日本ツアーの追加公演。「青山 月見ル君想フ」でのライブ。ゲストは「MONO NO AWARE」。YONLAPA は「Lingering Gloaming」というアルバムを最近知って、かっこよすぎて気になっていたバンド。来日ツアーを知った時には東京公演が売り切れていたが、運良く追加公演が決まって見に行くことができた。

曲がかっこいいのはもちろん分かってたが、ライブで見ると、ギターとベースがカッコよかった。爆音と繊細のちょうどいいところを狙っている感じがして、それがバンドの曲調（インディーロックなんだけどちょっとシューゲイザー味を感じるところ）とあっていてめちゃくちゃテンションが上がった。曲のアウトロでノイジーにがむしゃらに音を出していくところとかは、やっぱバンドっていいいよなぁという気持ちにさせてくれた。最近、綺麗な演奏のライブや、アイドルのライブしか観に行ってなかったからかも。

メンバーがカンペ見ながらカタコトの日本語で挨拶してくれたところもほっこりして素敵だった。そういうサービス別になくていいよとも思うけど、実際に生で観ると好きになっちゃうよね。

by grandcolline