Weekly Contents #43

🃏 遊戯王OCGデュエルロワイヤル (と、おじさん化について)

遊戯王OCGは1999年からスタートした漫画「遊戯王」元にした、今年25周年になるカードゲームです。 僕は1990年生まれで、子供の頃遊んでいました。 現在も人気があるのですが、新しく発売されるカードを強くしないと売れないからだと思うのですが、カードの強さのインフレが強く今から始めるにはかなりハードルが高いです。 昨今、僕の中で昔の遊戯王カードでデュエル(カードで対戦すること)YouTuberの動画を見ることがマイブームとなっています。 これがなんだか癒しの効果があるのです。 動画を見ていると、僕もデュエルしたいなーという、気持ちになる一方で、先に述べた事情によりカードを揃えるのも、また友達に揃えてもらうのも難しいです。 "かつて天才だった俺たちへ" ならぬ、"かつてデュエリストだった、小中学生のデュエルしまくってた時代のカードをもとに複数のデッキを組んでくれていて、そのままボドゲ感覚でデュエルを楽しめる、まさに僕のような人へ向けたドンピシャのアイテムです。 デュエルロワイヤル1には3つのデッキが、2には4つのデッキが入っていて、最初は1だけを買ったのに、我慢できずもう一つも買ってしまいました👛 そして友達と集まって、デュエルを楽しんだのでした。

白熱して、5時間とか平気で遊べたりしてます。 自分にまたハマれるものに出会い直すことができたことはかなり嬉しいです。一方、今あるものよりも昔を懐かしむことに時間を割いていると、どこか自分が懐古主義になってないのかな、これっておじさん化してるってことなのでは、、？と怖くなったりもします。 そういう不安というか懸念も多少は当たっていると思う一方、楽しいことを我慢したり、「今っぽい」ものを追っかけ続けるみたいなのも自分には難しいと感じたりもします。 (このWeeklyContentsの趣旨に反するかもですがw) 結論が出ているわけじゃないのですが、とりあえず自分が楽しいと思えることは大事にしたいし、おじさん化だったとしても、今の自分の感覚とかで捉えてみる、そんな自分に意識的になったりするのは、フレッシュさとか発見があったりするよなと思います。 久しぶりにやってみて発見したことは、実はわかっていない細かいルールがたくさんあって、一つの、そんなに主役みたいなカードでなくとも、wikiに1ページそのカードだけでわーっと解説が書いてあったりするからめちゃ複雑なカードゲームじゃんってことでしたw

by hidelberq

🍚 豚珍館

新宿のとんかつ屋さん「豚珍館」。

とんかつもキスフライも美味しかったが（上の写真はキスフライ定食）、個人的にいちばんの驚きは定食についてくる豚汁。天下一品だった。

by grandcolline

🎞️ 山中瑶子「ナミビアの砂漠」

山中瑶子の長編初監督作品「ナミビアの砂漠」。ル・シネマ渋谷宮下で鑑賞。今年を代表する映画になりそうな（すでになっている？）気がした。それは、映画自体というよりも、ナミビアの砂漠を観たことをインスタのストーリーでシェアすることが、今の時代の東京を生きる若者の「分かってる」の文化享受の行為のような空気が流れているからだ。社会現象とまではいかないまでも、作り手の域を超えた広がり方をしている作品なのだと思う。

河合優実の演じる主人公カナは、2人の男性と付き合う。カナのことを好きでいてくれる優しい男と別れ、いい家で育ち会社に勤めずクリエイターとして仕事をもらっている男と付き合いだすのだ。その様が、ひと世代前の理想から今の時代の理想へ移り変わっていくメタファーのように感じた。ただ、それによってカナは満たされることはない。それも、現代社会を表象しているようだった。それがこの映画が共感をよんでいる理由なのではないかなと思っている。

タイトルになっている「ナミビアの砂漠」だが、劇中でカナが、ナミビアの砂漠のライブ配信を観るシーンがある。じぶんも映画を観終わった後の帰り道で信号を待ちながら観てみたが、全く別世界のように感じた。カナはナミビアの砂漠に何を求めていたのだろうか。それっぽいことはいくらでも思いつくが、すべて浅い気がしてしまう。

by grandcolline

🎞️ 奥山大史「ぼくのお日さま」

監督、脚本、撮影、編集・奥山大史が、ハンバードハンバードの楽曲「ぼくのお日さま」からインスパイアをうけて製作された同名映画。テアトル新宿にて、全国公開記念舞台挨拶の回を鑑賞。朝の10時からだったので休日に早起きして新宿に行った。

じぶんは人生の短い一部分を切りとったような映画が好きだ。映画という90分から2時間程度のコンテンツでは、ひとつの季節ぐらいの期間を描くのがちょうどいいのではないかと思っている。雪が積もってからとけるまでのひと冬を描いている「ぼくのお日さま」はまさしく自分の好みの映画だった。登場人物たちの人生のターニングポイントとなる数ヶ月の出来事を描き、映画の外側のその後の人生を余白として残している映画だ。

フィルムライクな映像で撮られており、どのシーンもとても繊細で美しかったが、じぶんが特に印象に残ったのは何回か出てきた学校へ向かう道のシーンだ。雪が積もった長い道は、まさしく人生の一部を表しているようで、映画の外側でもずっと物語は続いていくように感じられた。最後のシーンが道だったことも最高だった。

もし雪がとけなければ、あの楽しかった時間が続くのかもしれないけど、それでも季節はめぐるし、傷つきながらも道を歩んでいかなくてはいけない。雪が積もった長い道はそんなことを感じさせる。今、この映画が公開されることに対して、厳しい指摘もある。それは正しい指摘だと思うが、一方で自分たちの歩んできた歴史をちゃんと見ることも重要だと思う。

あと the sign podcast というポッドキャストでもこの映画について語っている。ポッドキャスト内での映画監督、荒木伸二さんの感想が、かなり自分の言語化できていない感情を語ってくれている気がした。

by grandcolline

🎸 Fat Dog「WOOF.」

イギリスはサウスロンドンの 5人組新人バンド、Fat Dog。激しいライブが魅力のバンドらしい。Black Midi や Yard Act のようなバンドが好きな人は結構ハマるのではないかと思う。

仕事帰り、夜道を歩いているときに、Spotify のプレイリスト（詳しく覚えてないが、多分、The Indie List とかだと思う）のランダム再生で「Closer to God」が選曲されてこのバンドのことを知った。盛り上がりの最高潮でドラムを抜き、そのままなだれ込む感じ、これでバイブスがぶち上がらない人はいないんじゃないかと感じた。バンド名すら知らなかったので、すぐに調べて、アルバム「WOOF.」を聴いた。

どの曲もかっこよくて、めちゃくちゃ好み。例えば、6曲目の「All the Same」はエレクトロとパンクが融合している感じがしてかっこよすぎる。そんな中でも、オーケストラで始まる7曲目「I am the King」のカオスな美しさと壮大さには、不覚にもちょっと泣いてしまった。じぶんが疲れてただけかも知れないけど。

by grandcolline

🎞️ ジャン＝リュック・ゴダール「さらば、愛の言葉よ」

フランスの巨匠、ジャン＝リュック・ゴダールの2014年公開の映画「さらば、愛の言葉よ」。Amazon Prime Video で配信されているのを見つけて視聴。大学生の頃にゴダールにはまった時期があったが、最近は観ていなかったので久しぶりのゴダール作品の鑑賞。

相変わらず、難解で意味が分からない。だが、それでも夢中で観てしまった。それは、映像や編集のセンスの良さからくるものなのかと考えたりした。千葉雅也のセンスの哲学風にいうと、ゴダールの映画のリズム感が心地よいのだと思う。

by grandcolline

⭐ 開歌-かいか-「color」

sora tob sakana や PANDAMIC で知られる株式会社ジ・ズーが手がけるアイドルグループ「開歌-かいか-」の 3rd mini アルバム「color」。

もともと、タカハシヒョウリやサクライケンタが曲提供をすることが多く、楽曲には定評のあるアイドルのイメージだが、少し前から、バンド「ポップ死なないで」が楽曲提供をするようになり、そこも個人的にはかなり面白いと思っている。昨年の「シリウスにマフラー」はかなりツボで、昨年のアイドルソングの中でもトップレベルにじぶんがハマった曲だ。

今回のアルバムでも、5曲目の「星空ディスコ」はポップ死なないで提供。聴いただけで分かるぐらい、わかりやすいポップ死なないでらしさがつまった１曲。とはいえ、「ねぇ」という合いの手は、バンドではできないグループアイドルならでは良さが出ていて最高だ。

あとは、2曲目のタカハシヒョウリ曲「ねぇ I Know」も好き。これ、歌い出しかっこよすぎて、ライブとかめっちゃ盛り上がるんじゃないかな。

by grandcolline

🎞️ 加藤拓也「わたし達はおとな」

劇団た組の加藤拓也が監督・脚本を務めた2022年公開の映画。撮影は中島唱太。ちまたで鬱映画などと言われていたが、確かに観ていてつらくなる映画だった。Netflix で鑑賞。

色温度の低い映像とドキュメンタリーのような構図から繰り広げられる会話劇は、なんともいえないリアリティがあり、木竜麻生が演じる優実の愛情と不信感と突きつけられる現実の間に揺れる演技がとにかく圧巻だった。藤原季節の演じる彼氏がクズ男に見えてしまうのだが、多かれ少なかれこういった男の精神性みたいなものは、じぶんを含め誰もが持っているものだよなと感じ、そのことがいちばんつらかった。

映画の終わり方がとにかく印象的で、鳥肌がたった。主題歌も素敵。

by grandcolline

📖 宮島未奈「成瀬は天下をとりにいく」

滋賀県大津市在住の作家、宮島未奈による連作短編集「成瀬は天下をとりにいく」。滋賀県大津市を舞台に、風変わりな主人公である成瀬あかりの中学2年の夏から高校3年の夏までの間の出来事を中心に描かれている短編集。

「この夏を西武に捧げようと思う」といい夏休み毎日西武デパートに通う話や、「お笑いの頂点を目指そうと思う」といい M-1グランプリに出場する話など、成瀬の突拍子もない発言や行動が面白く、夢中になって読んでしまった。

5つの短編で本が構成されており、ほとんどの話は、幼馴染の島崎などといった成瀬の周りの人物視点である。ただ、最終話のみ成瀬視点の物語となっており、その構成にハッとさせられた。最終話までは周りの人物の視点なので、成瀬はなんでもできる優等生だが、少し風変わりな子としてみえているが、成瀬視点での物語になると、成瀬も自分のルール（考え）があって、その中で普通に生きているに過ぎないと気付かされるのである。特別な人なんていないし、誰しも悩みながら生きているのだ。たとえば、映画はどうしても神の視点で描かれてしまうし、長編小説もひとりの視点のものが多い。途中で視点が変わることで、こういった気づきがえられるのは、短編集ならではの面白さだなと思った。

by grandcolline