2024.04.04 - 2024.04.10
「トゲトゲTV」というバラエティ番組の企画として生まれた短編映画。主演は Aマッソ加納、監督は長久允。2024年サンダンス映画祭で短編部門の審査員特別賞(監督賞)を受賞。
「蟹から生まれたから写真を撮るとき、どんな時でもダブルピースをしてしまう」というだけのアイデアを長久監督が煮詰めるとこんな短編映画になるんだなと感じた。実際そのアイデアから生まれたかどうかは分からないが、少なくとも自分はそう感じた。ハンディカメラで撮ったらしく画質は悪いが、いや画質が悪いからこそ、画になるシーンがたくさんあった。ピスコ(加納)が中指立てて走り去るシークエンス、母(福田麻貴)の登場シーン。あと、春ねむりの提供した主題歌も最高だった。
✌🦀✌
by grandcolline
Vampire Weekend の5枚目のアルバム「Only God Was About Us」。正直、今まであまり Vampire Weekend は聴いてこなかったが、このアルバムはめちゃくちゃかっこよくてはまってる。アルバム全体的に、挑戦的でありつつも貫禄がある感じがして良い。Arctic Monkeys の「AM」もこんなことを思った記憶がある。
「Ice Cream Piano」、「Classical」、「Capricorn」という出だしの3曲が特にお気に入り。
by grandcolline
近年、というか NewJeans 以降の K-POP シーンの流行「イージーリスニング」についての解説動画。てけしゅん音楽情報はどの動画も面白いが、今回は特に面白かった。前半にタネを巻きながら、後半にサティを軸に、イージーリスニング、アンビエント、K-POP、さらに北野映画までつながっていく構成がすごい。永久保存版。
自分は去年の K-POP のフェイバリットをあげろと言われたら、NewJeans「ditto」、FiftyFifty「Cupid」、LE SSELAFIM「Perfect Night」と言っていたので、まさしくこの動画で紹介されているイージーリスニングにぴったりやられていた。(正確には、ditto のリリースは一昨年だが、個人的に去年聴きまくったのでいれている)
この動画の要点をまとめると、今の K-POPのムーブメントである「イージーリスニング」は元来のイージーリスニングとは別物で、それまで流行っていた「カールクラッシュ」へのアンチテーゼ的な意味合いであり、どこでも楽に聴ける自然な音楽という意味で使われている。その中でも NewJeans は無味無臭な音楽にならないように工夫がこらされているとのこと。ミンヒジンのプレイリストなどを見ると分かるように、元来のイージーリスニングだけではなく、というよりむしろ、2010年代のアンビエントやローファイヒップポップの流れを組んだ再解釈こそが、NewJeans の「イージーリスニング」ではないかという内容である。
知らなかった情報が多く、自分の好きだったものがなんなのか明かされた気持ちになって気持ちよかった。
by grandcolline

深掘TV のイベント。LOFT 9 Shibuya。行けたら行きたいと思ってたが、仕事の都合とうまく合わなかったので、配信でアーカイブ視聴。
メインのテーマは、「終わりの風景を知っているか」で見える世界が決定的に変わってくるという話。阪神淡路大震災、オウム真理教、援助交際のブームが重なった1995年が、日本社会・カルチャーのひとつの終わりであり、この時に物心がついていたかどうかが重要ということだった。自分は95年はまだ物心がついておらず、この議論でいうと完全に「終わりの風景を知らない」側の人間である。登壇者でいうと、西村紗知がこちら側の人間で、やはり宮台真司や渋谷慶一郎とは大きな差があるのかもなぁと話を聞きながら思った。ただ、その中で「私たちの世代は終わりどころか、まだ始まってすらいない」というようなことを言っていて、パンチラインだなと思った。先に書いた通り、自分も終わりを知らない側の人間なので、こっちに感情移入しちゃうよね。
後半になると、西村紗知さんの本に触れながら、カルチャーや貨幣社会についてなどの話に移っていった。こちらも面白く、西村紗知さんの本読みたいなぁと思った。
by grandcolline
Weekly Contents は毎週その週にハマったコンテンツを紹介するブログ / ニュースレター。 映画セブンでいう図書館の貸出履歴であり、Radiohead でいう Kid A となりうる概念。コンテンツの排泄場所。
毎週、水曜日の更新予定です。

浦安在住のソフトウェアエンジニア兼ラッパー。90 年式。 HIP HOP、社会学、お笑い、ラジオ、エヴァが好き。
下北沢在住のソフトウェアエンジニア。91 年生まれ。 UK ロック、映画、アイドル、お笑いなどのコンテンツが好き。

93年の起爆屋、または起爆装置